今月の花-2016.11.18
クロイワザサ(黒岩笹) Thuarea involuta (G.Forst.) R.Br. ex Sm.
イネ科 Poaceae(Gramineae) クロイワザサ属 Thuarea
海岸の砂浜に生える細い分岐の多い匍伏性多年生草本。葉は扁平,短く,鋭頭,頂生の穂状花序は短く1個の葉鞘に包まれる。軸は扁平,草質,基部は花後ふくれ小穂を包むようになる。小穂は1列,軸の1面で関節し,下部の1 ~2個は雌性または両性,上方の2~6個は雄性。頴は3~4枚,第1頴は小形で薄膜質または雄花では 0 。第2頴は無性,第3および第4頴はほぼ同長で雄花では3個の雄芯がある。下方の小穂の第4頴はかたく,うすく,両性で内頴を有する。葯は線形。花柱は離生。 頴果は離生しているが小穂の残りは肥厚した花軸の基部に密に包まれ,1個の倒円錐形でくちばしを有する早落性の堅果をつくる。1属1種。属名はフランスの植物学者 L. A. du Petit - Thouars 氏に因む(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2011.11.5 沖縄県名護市 撮影:2011.11.5 沖縄県名護市 撮影:2011.10.30 沖縄県大宜味村
海岸の砂地に生えていました。小さいですが真っ白な穂出しかわいいです。
今月の花-2016.11.17-2
シマフジバカマ(島藤袴) Eupatorium lutchuense Nakai
キク科 Asteraceae ヒヨドリバナ属 Eupatorium
全株やや無毛の多年生草本。茎は根茎から束生しやや単立または上方で疎に分岐し、高さ30~60 cmに達する。葉は心形~広卵形、長さ8~10 cm、幅 5.5~7cm、鋭頭または短鋭尖頭、円脚または切脚、上面は無毛で光沢があり、下面は淡色で腺点を有しかつ微毛を散生し、洋紙質、辺縁には微凸端に終る鈍鋸歯状鋸歯縁。葉柄は長さ1~2 cm。 頂生の散房花序は概形半円形で花を密生し、総包は円筒形で長さ5 mm、花は白色で5花、総包片は10個で2列にならび円頭で無毛。痩果は円筒形で長さ2.5 mm、粗毛があり、冠毛は汚白色で長さ4 mm。 沖永、与論、沖縄、宮古、石垣、西表。―固有(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2008.4.9 沖縄県名護市
撮影:2013.3.16 沖縄県八重瀬町
撮影:2008.4.12 沖縄県大宜味村
撮影:2008.4.9 沖縄県名護市
撮影:2014.4.6 沖縄県名護市 撮影:2014.4.6 沖縄県名護市
開花時期ではないのですが、比較のために掲載しました。
今月の花-2016.11.17-1
タイワンヒヨドリバナモドキ(台湾鵯花擬き、タイワンヒヨドリ) Eupatorium formosanum Hayata
キク科 Asteraceae ヒヨドリバナ属 Eupatorium
全株開出毛を有する多年生草本、茎は短い根茎から束生し、高さ30~100 cmに達し、多少分岐する。葉は対生、長柄を有し、広卵形、3裂、長さ5~10
cm、幅2~3 cm、中裂片は最大で披針形で往々さらに3裂する。頭花は密な散房花序で、小梗は長さ1~2 mm、小包は2~3個、総包の包は2~3列、内方のものは他より長く、へら形、長さ3~4mm、幅1mm、円頭,無毛。花は5~6個。花冠は長さ3~3.5
mm、幅 1~1.5 mm、5裂し、裂片は短い3角形で長さ0.5mm。痩果は5角形、冠毛は長さ2~3mmでざらつく。伊良部、石垣、西表、与那国。―台湾、比島(バタン島)。久米島には本種と次のシマフジバカマとの雑種と思ばれるものがある(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.9.9 沖縄県西表島
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市 撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
多野岳付近の道沿いではたくさん見かけられましたが、最近はどうなっているのだろうか?
今月の花-2016.11.16
アオガンピ(青雁皮、マルバガンピ,オキナワガンピ) Wikstroemia retusa A. Gray
ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae ガンピ属 Wikstroemia
高さ1~2mの低木、古枝は紫褐色で無毛、1年枝は太く淡褐灰色の短毛を密布する。葉は対生、やや無柄、倒卵状楕円形、長さ 2~4 cm、凹頭または円頭、鋭脚~やや鈍脚、全縁、表面は深緑色、下面は淡白色、両面ともに無毛または下面中肋上に長毛散生、側脈は6~10対で細く生時は不明であるが乾けば下面に少しく隆起する。葉柄は長さ1
mm位で、葉枕は著しく高い。頂生の穂状花序は長さ 5~10mm、5~10花、花軸は白短毛を密布する。花は黄緑色、長さ1 cm位、萼筒は長さ 5~6
mmで粗毛を散生し、裂片は開出し長さ萼筒の1/2位、雄芯は萼筒の喉部よりやや下部につく。液果は球形、赤熟、径5 mm位、種子は球形で径 3~4
mm。沖縄群島、八重山群島、台湾(紅頭嶼)、比島(バタン島)。―固有(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2012.11.5 沖縄県名護市
和紙の原料になるようで、離島の学校で卒業証書に利用したと聞いたことがある。しかし、大量に生育しているわけではないのでかなり無理がある。
今月の花-2016.11.15
ナンバンツユクサ(南蛮露草、オオバツユクサ) Commelina paludosa Blume
ツユクサ科 Commelinaceae ツユクサ属 Commelina
高さ60~90 cmに達する草本、茎は太く、疎に分岐し、径 3~5 mm、無毛。葉は斜披針形、長さ10~18 cm、幅 2.5~5 cm、長鋭尖頭、斜鋭脚~斜円脚、有柄または無柄、下面は無毛であるがときとして多少有毛。葉柄は長さ2~5 mm、辺縁には赤褐色の長いひげ毛があり下部は長さ1.5~3 cmの鞘部となり茎をゆるく包む。包は無柄、単立または頭状に束生し、扇形、長さ幅ともに2 cm 位、急鋭頭、無毛または微毛を有する。花は径 1.5 cm 位、淡青色、爪を有し円形、子房は3室で各室に1卵子を有する。室果は倒卵形、長さ8 mm 位、3稜を有し、3室、3片に裂開し各室に1種子を有する。種子は楕円形で扁平、長さ6 mm 位、表面は平滑または微毛がある。奄美、沖永良部、 沖縄。―台湾、其他印度~馬来(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.10.26 沖縄県名護市
撮影:2011.10.19 沖縄県名護市
撮影:2011.11.6 沖縄県名護市
撮影:2011.10.26 沖縄県名護市
かなり大きなツユクサなので、野生化した観葉植物が道沿いに生えていると思っていました。
今月の花-2016.11.14-2
エゾハンノキ(蝦夷榛の木) Alnus japonica (Thunb.) Steud. f. arguta (Regel) H.Ohba
カバノキ科 Betulaceae ハンノキ属 Alnus
主に北海道で見られる榛の木の変種です。葉がハンノキより大きい。
撮影:2011.6.25 北海道サロベツ公園 撮影:2011.6.23 北海道礼文島 撮影:2011.6.23 北海道礼文島
北海道で撮影したのでエゾハンノキとしています。基準種をまだ見ていません
今月の花-2016.11.14
タイワンハンノキ(台湾榛の木) Alnus japonica (Thunb.) Steud. var. formosana (Burkill) Callier
カバノキ科 Betulaceae ハンノキ属 Alnus
高さ25mに達する落葉の小高木、小枝は幼時無毛または時として微毛を有する。葉は狭楕円形~長楕円状披針形~卵状長楕円形、長さ6~12 cm、鋭尖頭、広襖脚、微鋸歯縁、無毛、下面は淡緑色。葉柄は長さ1.5~2.5
cm。 球果は楕円形、長さ1~3cm、柄は長さ1.5cm。沖縄、栽または逸出。一日本、台湾、中国、其の他の北東アジア (琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村(雄花)
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村(雌花)
撮影:2015.9.5 沖縄県国頭村
撮影:2015.3.1 沖縄県名護市
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村
撮影:2016.11.12 沖縄県国頭村
琉球植物誌にはハンノキとしてあり、別名でタイワンハンノキを採用していますが、YlistではハンノキのVarietyになっていたので、これを採用しました。沖縄では数年前に害虫が発生してかなり立ち枯れしました。
今月の花-2016.11.13-2
バクチノキ(博打の木) Laurocerasus zippeliana (Miq.) Browicz
バラ科 Rosaceae スモモ属 Prunus
高さ20mに達する常緑の高木、樹皮は片状に剥脱し黄赤色の滑面となる。葉は倒卵犬楕円形~長楕円形、長さ10~15 cm、革質、上面は光沢があり無毛、下面は無毛または時として軟毛を布き、もめば青酸の臭がある。腋生の総状花序は長さ10
cm 以下、花は径6~7mmで白色。各島。―日本 (関東南部~九州)、台湾、南中国 (琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.1.1 沖縄県八重瀬町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
撮影:2016.11.12 沖縄県本部町
満開の状態がなかなかとれませんでしたが、昨日行った本部町の山道で出会いました。辺り一面にこの花の匂いが満ちていました。次は熟した果実を撮影したいものです。
今月の花-2016.11.13-1
セイタカアワダチソウ(背高泡立草) Solidago altissima L.
キク科 Asteraceae アキノキリンソウ属 Solidago
通常高さ70~200 cmに達する多年生草本、根茎は地中を横走し通常群生する。茎は多少粗毛を布く。葉は互生、多数、披針形、長さ6~13 cm、幅
1~2 cm、3脈、長鋭尖頭、鋭脚、やや全縁または疎鋸歯縁、上面はざらつき、下面には短粗毛を密布し、上葉は小形で全縁、無柄。頭花は細く10~18個の花からなり。総包は線形で長さ3.2~5
mm。 沖縄、野生状を呈する所がある。―北米の原産で日本内地にも広く帰化している(琉球植物誌追加訂正版 初島住彦著から引用)。
撮影:2015.10.12 沖縄県恩納村
撮影:2015.10.12 沖縄県恩納村
撮影:2016.9.27 沖縄県名護市
撮影:2016.11.6 沖縄県大宜味村
撮影:2016.11.6 沖縄県大宜味村
撮影:2016.11.6 沖縄県大宜味村
撮影:2015.10.12 沖縄県恩納村
沖縄では、そろそろこの花も終わりそうです。芝に混じって進入してきたかもしれません。しかし、園芸種のソリダゴで栽培される種にそっくりです。機会があったら比較してみたいです。
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